
教室をしていると、初めてレッスンに来られる方が、ご自身の、もしくはお子さんの学校のお裁縫道具を持ってこられるのをよく見かけます。
そして決まって、少し申し訳なさそうに「こんなのですみません」とおっしゃるんです。
でも、ぜんぜん大丈夫。使えなくはありません。
ただ、何気なく買ったお裁縫道具を、そのままの暮らしでずっと使い続ける人が多いことを思うと、このタイミングで「なるべく使いよいもの」を揃えておくことには、価値がある…と思います。
高級品を揃えればいい、という話ではありません。

私が願うのは、初めて針を持つ人が、道具の使い勝手のせいで手芸を嫌いになってしまわないこと。むしろ、気持ちよく作業ができることで手芸が「楽しい」と思える時間が増えて、趣味へと育っていってくれたら嬉しいなと思います。
たとえ趣味になることがなかったとしても、これから先、ボタン付けやゼッケンの縫い付けなど、どうしても針仕事が必要な場面はきっと出てきます。そんな時にストレスなく手が動くように、まずは「買い足しの失敗が少ない道具」だけを、最小限に絞ってご紹介します。
学校から受け取るお裁縫道具リスト
学校で配られる業者注文のリストに載っているものは一般的に以下のような内容となっているはずです。
- ケース(バッグ型、ボックス型など色々)
- 縫い糸(白・赤・黒で3色になっているものなど)
- 針セット(縫い針や刺繍針など)
- 糸通し
- ひも通し
- 指貫
- リッパー
- メジャー
- チャコペンシル
- 糸切りハサミ
- 裁ちばさみ
学校の授業で、どれを使うか使わないかは、実は学校や先生の進め方によっても違います。なので、「これは絶対いらない」「これは必須」と、ここで決めつけることはできません。
たとえば指ぬき。一般的に業者セットに入っているものは使い勝手がいまいちで、私からは別のおすすめもあります(この記事の最後の方でご紹介します)。けれど、授業の内容によっては、指ぬきを結局ほとんど使わないまま終わることもあります。
だからこの記事では、全部をアップグレードする前提ではなくて、まずは考え方をこう整理します。
「授業で使う可能性が高いであろうアイテム」の中から、さらに「業者セットのものより使い勝手の差が出やすいもの」…つまり、学校の業者リストから外してでも、当ネットショップでの購入をおすすめしたいものを、これからご紹介します。
学校リストを見ながら、ここだけ“別で選ぶ”のがおすすめ
ここからは、私が「使い心地の差が出やすい」と感じる道具を紹介します。

糸切りバサミ

刺繍でも、家庭科の手縫いでも、いちばん手が止まりやすいのが「糸がきれいに切れない」ストレスです。
糸切りばさみは、使う頻度が高いわりに、業者セットのものは切れ味が普通だったり、先が尖りすぎていて布に刺さって穴を開けてしまったりすることもあります(机の上にぽんと置きがちなので、ここは意外と落とし穴)。
私は、糸切りばさみは“よく切れる”だけでなく、机の上で扱いやすい形のものがおすすめです。
家庭科で使って、もしお子さんが手芸を続けなくなっても、あとからお母さんがそのまま使いやすい道具として残ります。
迷ったら、まずは「糸切り+手芸ばさみ」の2丁セットがおすすめです。先にセットを買っておくと、家庭科もその先も困りにくくなります。

▶︎糸切りばさみ(単体)の販売ページはこちら
▶︎2丁セットの販売ページはこちら(←迷ったらこちら)
手芸ばさみ

家庭科の授業では、ナップサックやエプロンなどの大きめの布を切る場面があるかと思います。
その時は、やっぱり「布を切る専用のはさみ」があると作業がスムーズです。
一方で、正直な話をすると、学校の授業で作るのはその2作品が定番…という学校も多いので、裁ちばさみに関しては「絶対に良いものを」とまでは言い切りません。
もし、授業のためだけに用意するなら、100均の裁ちばさみでも役割としては十分な場合が多いと思います(品質はメーカー品に劣りますが、その2作品を作るくらい…と用途を割り切るならアリ)。
ただ、家庭科をきっかけに家で手芸をするようになると、作るのは巾着やブックカバー、フェルトマスコットなど小物が圧倒的に多くなります。
そうなると「取り回しがよく、気持ちよく切れる手芸はさみ」が結局いちばん出番が多い。だから私は、家庭科にも、その先にも寄せられる形で、布にも糸にも使える手芸はさみをセットに入れています。

▶︎手芸ばさみと糸切りばさみのセット、販売ページはこちら
リッパー
リッパーは、縫い目をほどくための道具です。家庭科でも、家でのボタン付けでも、「やり直したい」が出た時に必ず助けてくれます。
(ボタンホールの穴を開ける時や、ボタンの糸を切る時にも使います)
間違えて縫い合わせてしまった箇所の縫い糸をカットするために使うのが、いちばん多いパターンです。
そしてここ、意外と差が出ます。
学校の業者セットに入っているリッパーは、私の印象では「切れ味が弱い」ものが多いです。もちろん全部がそうとは言いませんが、ほどきたいのにスッと切れず、余計に力が入ってしまうことがよくあります。うちの教室でも、お生徒さんがリッパーで苦戦しているところに私のものをお貸しすると、あまりの使い心地の違いに感動し、その場で購入される方がほとんどです。
「あーん!縫い方間違えた…」
「ここ、一回ほどいてやり直そう…」
という時の、あのガッカリ感。せっかくやったのに…って思いますよね。
そんな時には一旦、心を無にして。
「それにしてもこのリッパーの切れ味、いいわ…」と、縫い目をほどくのです。
Y字の股のあたりで糸を切るのですが、切れ味の悪いものだとなかなか切れず、少し無理矢理ひっ掛けるような動作になりがちです。
でも、切れ味がきちんといいものだと、すーっと“すくう”ように押すだけで、当たり前のように糸が切れます。その快感たるや。
切れ味の悪いものは、作業が進まないだけでなく、変に力が入って危険でもあります。
股のあたりを無闇に触ったりしなければ、そうそう切れ味が落ちることもありませんから、これを一つ大切に長く使うのがおすすめです。
木のように見えるこの茶色が私は気に入っていますが、木ではありませんのでご注意ください。
安心のフタ付きです。
▶︎切れ味のいいリッパーの販売ページはこちら
チャコペン

家庭科でも、その先の暮らしの針仕事でも、印つけは必ず出てきます。そしてここでも、地味ながら差が出ます。
私の記憶の話ですが、小学校のお裁縫道具に入っていたチャコペンシルの芯って、すごく折れませんでしたか?
削ると折れる、折れたら削る、また折れる…の繰り返しでうんざり。私だけではなく、他の方からもよく聞くお話です。
学校の業者セットに入っているチャコも、当たり外れがあって、「印が薄い」「芯が欠けやすい」「消しにくい」など、小さなストレスが重なりがちです。
印つけで手が止まって、作る前に嫌になってしまうのがもったいない。
そこで私は、まずこのタイプをおすすめします。
発色がよくて、芯が丈夫で、何より 水を含ませた布で拭き取れる。初心者さんにも扱いやすいと思います。
快適なチャコペンの販売ページはこちら
指ぬき(※材料だけの販売です)

指ぬきは、正直「自作に限る」と思っています。
なぜなら、自分の指のサイズにぴったり合っていなければ、つけること自体がストレスになるほどで、使い勝手が全然よくないからです。
ただし、ここは学校の授業の進め方にもよります。
きちんとした使い方を教わったり練習する機会がないなら、無理に指ぬきを使わなくてもいい(こだわらなくてもいい)とも思います。
そのうえで、「指ぬきを使いそう」「ちゃんと使ってみたい」という方へ。
写真の手前にある、きしめんのような材料(本革製)を販売しています。完成品ではありません。
作り方(かんたん)
本革の材料を、中指の第1関節と第2関節の間あたりにくるりと巻き、ちょうどハマるサイズにカットします。
あとは手縫い糸で普通に縫いつなぐだけです。
玉結びして、4〜5針縫って、玉止めして。
不器用な方でも、大人であれば5〜6分で完成できると思います。
お子さんの場合は成長でサイズが変わりますが、材料費はそこまで高くありません。
家庭科で指ぬきを使いそうなタイミングのサイズで、ぜひ作ってあげてください。
【重要】ご購入前にご確認ください
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材料のみの販売です(完成品ではありません)
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作るための針と糸はご自身でご用意ください
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上記をご理解のうえでお買い上げください
サイズ: 約60mm × 13mm ×(厚)約2mm
「あなただけの指ぬき」の販売ページはこちら
さいごに
全部を揃え直さなくても大丈夫です。
まずは「使い心地の差が出やすい道具」だけ整えて、家庭科も、その先の針仕事も、気持ちよく始めてもらえたら嬉しいです。
