気持ちとしては「やりたい!」、けれどやれる自信のない人、やり方の分からない人、たくさんおられることでしょう。
今日は、刺繍を仕事にして9年目の私が、これまでの経験から言えることを書きたいと思います!
追記:2024年現在、刺繍を仕事にして12年目を迎えました。始めた当初は幼稚園に通っていた2人の娘は、それぞれ高1と高3に。高3長女は百貨店さんでの出店時にはスタッフの一人として接客の手伝いに入ってくれてもいます。
ハンドメイドを仕事にできるのか
ハンドメイドを仕事にするために最低限必要なもの
最低限として必要なものがあるとしたらたった二つ、それは責任感 と 技術 です。この2つは当たり前といえば当たり前に必要なものですが、他のどんな業界や職種と変わらず、これが揃っているならばあとは「やりたければやる、そのために腹をくくって努力する、実行する」ことが大切と思います。
とはいえ、就職やパートのように確実に収入が得られるとは限らないハンドメイドのお仕事に不安を感じられる方はとても多く、私も色々な方からご相談を受けてきました。そんな中で皆さんから特によく聞かれる「アズマさんの場合はどうだったのか」について、ちょっと書いてみますね。
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ハンドメイド を仕事にすることへの不安…
責任感と技術さえあればハンドメイドの仕事ができる。そう言われても怯んでしまう。そんな方が多いのではないでしょうか。
- 私にはセンスがないからできない
- 人に何か言われそうで恥ずかしい
- 何から始めればいいか分からない
私が今までに色々な人から聞いた言葉です。どの方もハンドメイドがお好きでやりたい気持ちはあるのだけれど、こういうことにつまづいて消極的になられているようです。
センスが必要?
これに関しては、私なりの考えがあります。センスは「あるかないか」ではなくて、人それぞれのものなのではないでしょうか? だから、センスって思いついた人だけのものではないと思うのです。
ある人のセンスがあり、それに共感・賛同する人がいる。響いた人たちにはセンスがないのではありません。きっと、同じ世界観を好きだというセンスを持っているのです。たとえば、あるデザイナーが作った服を取り扱うセレクトショップがあったとして、そのショップにもそれを選んだというセンスがある、というイメージです。
そして、もしもあなたが「この人のセンスが好き!」と思ったとしても、世界中の全員がそれを「好き」というかというときっとそうではないはずです。誰にでも刺さるものなんてなかなか作れないのです。特にハンドメイドにおいては、10人中10人が欲しいと言ってくれるものなんてなかなか存在しません。百貨店さんなどで販売をしていると「10人中、1人2人くらいがめっちゃ気に入ってくれるものを作るのが一番!」だとつくづく感じます。
みんなみんなにセンスがあります。センスのない人なんていません。そして、あなたのセンスに響いてくれる人がきっとどこかにいるのです。
さらに遠慮なくいうと、毎日色々なものを見ていて、「このセンス嫌い! センス悪い!」と感じるような人や物と出会うことがたまにあります。それは映画であったり、ドラマであったり、飲食店であったりもします。ですがそれも私の個人的な感覚や好みでしかなくて、逆にそのセンスに響いて集まっている誰かも他で確実にいるのだと気づかされます。
センスがあるかないかの心配は不要。私はそう思っています。
人に何か言われそう…!
ハンドメイドをお仕事にするなんて、人に何か言われそうでちょっと…。という方へご報告しておきますね。
確かに私も…
忘れもしません。10年前に「刺繍を仕事にしようと思う」と当時の友達に打ち明け、しばらくしてFACEBOOKで「刺繍作家アズママイコ」の公式ページを作ったタイミングのことです。
「刺繍作家アズママイコって!笑ってもたわ!!」なんて携帯メールで言われちゃいました。当時の私にも「人に何か言われたら…」という不安があったので、もちろん何ともいえず恥ずかしくなってしまいました。
どうやってその気持ちから完全浮上したのかはよく思い出せません。忙しかったし(育児も同時だったし)、それでもやってみたらすごく楽しかったしでそれどころじゃなくなったのかな?
今の私には友達の決心を応援できない彼女の方がよっぽどかわいそうに思えます。同情もしませんし、ただ単純に「こういう人、好きじゃないなあ」って思います。そんな人の心無い一言に傷ついている暇がもったいなく、もっと素敵な考えの人たちに恵まれて今を暮らしています。
ハンドメイドを仕事にした時に人に何か言われないためには、押し売りさえしなければいいのではないでしょうか。
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私の主宰している「暮らしの刺繍会」の認定講師にも、「あなたが刺繍教室をするなら、私、通いたいな!」「あなたが○○を販売するなら、私、買いたいな!」と素敵な言葉をお友達にいただいたメンバーさんがいました。そういうのを聞くと、「いいなあ、優しくって趣味の合うお友達がいるんだなあ」って、幸せな気持ちになります。
何から始めればいいか分からない
そうですね、これは確かにそうでしょうね!
私の場合は、刺繍を仕事にしたきっかけは、着物でした。当時、趣味で踊りと着付けを習っていたのですが、それで半衿や帯が色々と欲しくて、でも欲しいものがなかなか見つからなかったので、自分のために色々と刺繍をして作るようになっていました。
踊りは基本、着物で習うのですが、始めたタイミングがちょうど浴衣の時期でした。
それをご覧になった着付けの先生が「これ、私のお店で販売させて」とお声かけくださったのです。
それを聞いた私の気持ちは
が 100% でした。
何それ、楽しそう! 自分の好きなものを作ってお店屋さんに並べるだなんて! すごく楽しそう!!
そして、何も迷うことなく私の中にあった最低限の責任感と技術を手にこの仕事を始めました。
自分で思うのですが、楽しそう!って思ったらもうその瞬間に動けてしまうっていう「心ファースト」なところが私の光り輝く才能なのでは…なんて。
私にとってのきっかけはスカウトでしたが、別にこのパターンでなくても「私がやりたいから」で始まり、「教室をやるぞ!」「販売をするよ!」と誰かに宣言をするだけでもできるものだと思います。
そして、そういった宣言一つでハンドメイドの仕事を始めるなら SNS という道具はとても役立つものと思います。(そのお話はまた今度!)
ハンドメイド を仕事にしたいと思ったら
最低限 必要なものは責任感と技術。他には 愛 もいっぱいある方がきっといいでしょう。
あとは、やり始めたその瞬間から固定収入が得られるわけではないことだけ受け入れておきましょう。
ですから、たとえば家計のことなどを考えて「月に必ず◯万円を稼がなければいけない」という条件の方には個人的におすすめできないです。
結局 何から始めるか
もう既に技術をお持ちの方は
- ネットショップを立ち上げる
- お付き合いできるお店さんを探す
- 教室を開いてみる
など、色々あると思います。
ただ、一つだけ。私の願いとしては、技術があるからといってもどこかの誰かが努力と工夫をして考えたデザインを「見れば私にもできるから」などと何の苦労もなくコピー・編集をしてお金を稼ごうというのはやめてほしいものです。(私がどうこう言えることではないのですが、もしもこの記事を読んだどなたかが背中を押された気持ちでハンドメイドをお仕事にされた時にデザインの盗用などをしてしまうことだけは避けたいと思い、一応書いておきました)
必要な技術が足りないと感じられる方はやはり勉強と練習が必要でしょう。方法も色々あります。
- 色々な書籍から学ぶ
- 教室に通う
書籍などから独学をされる場合も先ほど触れた「デザインの盗用」にはくれぐれもお気をつけください。
教室に通われる場合もそうです。
★たとえば私のしている刺繍教室も、「楽しく(正しく)作りたい」を目的にした一般レッスンの他に「刺繍を仕事(教室や販売)にする」を目的にした認定講座をご用意しています。
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★私たちの親世代なら誰でも知っている有名な刺繍教室さんもあります。
私のもとに「刺繍を仕事にしたい」とご相談を下さった方にはどのような形で刺繍を仕事にしたいのかをお聞きしたうえで、上に挙げたような「暮らしの刺繍会」以外の教室をご紹介させていただくこともあります。
この教室選びについてもやはり書きたいことがいっぱいありますので、それはまた別の記事で改めてと思います。
★アズママイコのネットショップ